はじめてのキャンプの思い出〜青春の日〜

つぶやき
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初めてのキャンプ。
高校2年生の夏、悪ガキ7人とキャンプに行った時のお話。
キャンプといっても、その時はまだ
テントの中で寝る
そのくらいのイメージでしかない、未経験の我々でした。

外で飯を食うっていっても炭と網で肉を焼いてってくらいで、色気も素っ気もなく思ってた。
そんな悪ガキたちが、キャンプの計画を次週に控えた頃、
「来週はキャンプだ!」
いえ~いってな感じで学校で盛り上がって、それでもろくすっぽ準備もしなかったんじゃないかと遠い記憶。

キャンプに行く日が近づいてきたある晩、
なんの気なしに深夜放送のオールナイトニッポンを聞いていたら、なんとキャンプを予定している日に台風がやってくるとの情報だった。


のちに清里、白馬の事件を起こすメンバー達。
翌朝、キャンプと台風直撃の話でごちゃ混ぜになったが中止するって言う奴もいないままキャンプ当日を迎えた。
朝から雨が降ったり止んだり、時折強い風が吹く、そんな中、駅には大きな荷物を抱え改札をくぐる悪ガキ達。
駅員から
「お〜い、お前ら今からどこ行くんだい?
今日は帰ってくるの?」と声掛けが。
「いや帰らないよ、今からキャンプに行くんだ〜」とケロッとした顔で答えながらずんずんと足は止まりません。
「まさか、、、あほかお前ら、、、台風くるんだぞ、電車も多分とまるぞ〜
忠告なんて聞いた試しもない悪ガキ奴ですから、右耳から左耳へすーっと抜けて。苦笑


電車をある大きな市で降り、そこからはバスに乗る。バスの運転手にも、まったく同じ事を聞かれ、言われ、またその忠告も台風の風に吹き消され、とうとうキャンプをする場所に着いた。 
バス停周辺では、消防車がカンカンカンと鐘を鳴らし台風の警戒をして辺りを回っている。
「おいおい、流石に台風だな」
「そうだな」
そこからの会話が続かない、キャンプをやるって言ったらやるんだと言わんばかりの悪ガキ連中。
ここまでくるとそろそろ『悪ガキ連中』『馬鹿連中』に変わる。


キャンプをする場所に到着し、テントをずぶ濡れになりながら張る、当時はオレンジ色の三角テント、それを2つ。
テントを張り終えてようやく馬鹿連中の心にも少し満足感が芽生え始め、そろそろ目的が達成する頃。
だんだん冷静になっていく馬鹿連中。


その時だった、キャンプをする場所は目の前が海、そして国道から少し下がったところの単なる空き地、立ち入り禁止の札があった事は鮮明に覚えている。
近くに消防車が止まり、
「おい!そこで何やってるんだ
早く片づけて帰れ」
と怒られた。
がしかし、消防車に無線か何か連絡が入ったみたいで、怖いおっさんは「いいから、帰れよ!」と言ったきり消防車に戻っていってしまった。
「行っちゃったね、まあ、また来るさ」と、この場に及んでもまぁ能天気な、
ほんといい加減である。
馬鹿も馬鹿なら、ここまでくると想像を超えるなんて。


「さて、なんか焼いて食うか
まずはテントに入ろうぜ!」
いえ~い我々のキャンプが始まる。
テントの中で換気に注意して炭を燃やし、網を敷き肉を並べていく。
外の雨、風はかなり厳しく、風の音と海の波の音が凄まじい。
「おいおい、やばいんちゃうか?
まあ、ここまでは波も上がってこねえ~って」とそんな時だった、一瞬風が止んでしばらく続いたので焼けた肉に手を伸ばした。


その時だ、空から得体のしれない大王が指先でテントをつまみ、ひょいっと一気にひっぱったかの様なほんの一瞬のできごとでした。
ぱっとさっきまで頭上にあったはずのテントがなくなり、その後はご想像の通りの物凄い雨がざーって容赦なく馬鹿連中に降り注ぐ、
まるでコントだ、ざーって雨に当たりながら
ひとりがこう言うのです。
「終わったな。」
がっかりとしたというか、、、
ぼーぜんとしていると、
次から、次へと風、雨、波がしぶきをあげ、
我々の持っていた食料、水、いろいろな物が転がっていく。
「あー、終わったわ。」
「全然おもしろくねえ~じゃん」

負け犬の遠吠えを吐くと、
それからは黙って国道に向かって歩き出した、、、

国道に上がったところでちょうどまたさっきの消防車がやってきて、
「お前ら、、馬鹿か、、とにかく気をつけて帰れよ」とさっきの怖いおっさんに見送られ、国道をとぼとぼ歩きながら
「終わったな♪終わったよ~♪」と
雨と風にあおられながら、段々と
どおでもいいやとなってきて、
なんだかこのくちゃくちゃが楽しくなって、みんなでスキップをした事を覚えている。

その後は少し人通りの増えた駅の近くで
夜遅くにとぼとぼ歩く馬鹿連中警察に突き出され、補導ではなく、迷子扱いで親元に返されのであった。
それが初キャンプ、青春の日の苦い思い出。
のちに清里、白馬で、あの事件を起こす連中な訳です。

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