過去の大失敗〜後編〜

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『teddy大失敗をしでかすの巻』 後編です。

翌朝、事件は起こりました。
なんと寝坊…。
目覚まし時計のスヌーズ機能も頼りにならず泣。
慌てて寮から飛び出し駅に着いたのですが、
その瞬間、気づいてしまったのです。
説明用の図面や仕様書をすべて寮に忘れてきた事に、、、

真っ青になりながら、またダッシュで寮に逆戻り。
この時、走る横目に何度も公衆電話を見たのですが、
今考えてみれば、まずは電話で上司に連絡すべきだったんですよね。
研修で学んだことが現場で活かせないとは情けない、、、

シン報連相 [ 曽和利光 ]

寮になんとか到着、靴も脱がずに自分の部屋に上がり込むと、寮母さんから「teddy、会社から何度も電話があったよ。すぐに電話しなさい」
「わかった、わかった!すぐ間に合うから」
生返事をしながら、ドタバタと広げられていた図面と資料をわしづかみにして、手元にあった紙袋に押し込むと、寮母さんの声を背中で聞きながら駅へ向けて猛ダッシュ。

若さはあるとて、もう体力も気力もへとへと。
歩道の小さな段差ですら足をひっかけてしまいます。
「駄目だあ~もう走れない。さっき電話すれば良かったかも」馬鹿な若かりしteddy。
どうしよう、完全に遅刻する…そう思いながら、ふと目に入ってきたのがマイカー、ホンダのインテグラでした。

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「そうだ!駅まで車で行こう。駅ならまだ駐車場があるはず」そう思ったのが全ての間違いでした。
皆さん気を付けましょう、東京は、地方とは違い、駅に隣接する駐車場があるとは限らないのです。

インテグラに乗り込み、猛スピードで駅にたどり着いたはいいものの、駐車場がない、ない、ない。
やばい、完全に読みを間違えたのです。
その時、ふと頭に浮かんだのは、もう車で直接集合場所を目指すしかないということ。

「明日は車移動は禁止」
支店長と先輩の顔が一瞬よぎりましたが、もう後にはひけません。ここでも一本の電話さえしておけばよかったのですが…時すでに遅し。

目指す目的地が決まり、アクセルを踏み込む teddy。
その時、ちょっとした冒険心があったことは否めません。
やってみせる、間に合わせてみせる。
車の移動が駄目だと言われたとて、間に合えばごまかせる。
当時はもちろんナビゲーションも携帯すらない時代でしたが、不思議とできる気がしていたのです。
時計の針は8時40分。
集合時間まではまだ1時間20分あります。
…が、人生とはそう上手くはいかないもの。

環状7号線を南下し、首都高速のインターが見えてきたのですが、気づいた時には乗り口は車線の向こう側。
車線変更する間もなくインターを通過してしまいました。
やばい!
高速マップを左手で掴み、次のインターを確認しようとしたその時です。
今度は、ブー、ブッブー
「ばきゃろー、危ねえじゃねえか」トラック運転手からの怒声。
冷や汗をかきながら何とか高速に乗ったかと思えば、なんとすぐに渋滞の洗礼。
時刻は9時10分。すでに30分が経過。

大丈夫だと自分の心を落ち着かせ、高速マップを片手に次のインターで降りようとした瞬間、目を疑いました。
「本日は工事のためこのインターからは降りられません」もうこうなってしまったら、
頭には何も入ってきません。
記憶がないままなんとか高速を降りてUターンしたのはいいものの、ここからまたさらに大渋滞。
ボタンをひとつ掛け違えると戻すのは至難の技なのです。
一方、会社側では大騒ぎ。
teddyの遅刻を疑った営業と支店長が、代理を立てる手筈を整えていました。

ようやく現場に到着した時刻は11時。もう言い訳など通用しない時間です。
色々考えた末、開きなおったteddy。自分の支店に引き返す決断をしました。

遅刻、欠席、左遷、頭の中をそんな言葉がぐるぐる駆け巡り、自分の情けなさに泣きそうになりながら渋滞の高速を引き返し、結局、支店にたどりついたのは15時をまわる頃。

路上に車を止めるなり、支店長からの「ばかやろ!!」怒号。散々叱られたのは言うまでもありません。

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大手企業様の案件は、先輩方の頑張りにより無事に進みましたが、teddyは担当から外され、その数か月後、本社へと戻されました。
また、teddyの一件が引き金となり、今後、東京支店に転勤する者はたとえ営業車であろうが、1年間は運転禁止というルールも作られました。

この大失敗事件は代々語り継がれ、暫くは、先輩や同僚からよくいじられたのを覚えています。
「やめとけと言う事はやめとけよ。まったくさ、、元気がいいのは良い事だけど、まだまだガキなんだからな」
寮の先輩から度々言われていたこと。大失敗事件の後には、身に染みてその意味が分かったのでした…。

さて、teddy大失敗事件、いかがでしたか?
想像を超えたストーリーひつじ姉さん絶句でしたが…w
誰しも、一つや二つは大きな失敗談を胸に秘めているもの。
あの時の苦い思いを、
たまにはふと思い出してみるのも案外悪くないのかもしれませんね。改めて気を引き締めるいいキッカケになるかも。

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